【ニューヨーク=上塚真由】中国で薬物密輸罪に問われたカナダ人男性に死刑判決が言い渡されたことについて、カナダのトルドー首相は14日、首都オタワで記者団に対し、「中国が恣意(しい)的に死刑を適用するようになったことはカナダ政府にとって非常に憂慮すべき事態で、すべての同盟国など国際社会もそう感じているだろう」と述べ、中国を非難した。

 カナダ当局が昨年12月に米国の要請で通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部を逮捕して以降、中国政府はカナダ人を相次いで拘束し、関係は悪化している。今回の死刑判決で対立はさらに激化するとみられる。

 カナダ人男性をめぐっては昨年11月に懲役15年の判決が言い渡されたが、高裁が同12月に「不当に軽い」とする検察側の主張を認め審理のやり直しを命じていた。死刑判決が言い渡された14日の差し戻し審で、男性は「麻薬密売人ではない。旅行者として中国に来た」と無罪を主張した。

 公判は一部外国メディアにも公開され、カナダ大使館員も傍聴したという。

2019.1.15 09:29
https://www.sankei.com/world/news/190115/wor1901150009-n1.html