◆県内で初 19年度から試行

 掛川市教委は、二〇一九年度から曽我小学校で、民間プールを活用した水泳(体育)授業を試行する。同校の屋外プールで老朽化に伴うひび割れや浄化装置の故障が相次いでおり、建て替えても使用する期間が短い割に、建設や維持管理に多額の費用を要するのが主な理由としている。十八日の市議会全員協議会で報告した。 

 市教委によると、小中学校で老朽化したプールを廃止し、水泳の授業を民間プールなどで行う取り組みは、愛知や三重、神奈川などで導入されているが、県内では初めて。試行期間は五〜十一月で、バス送迎で市内の民間プールの使用を想定しているという。

 市内では、小学校九校、中学校三校のプールが耐用年数とされる築五十年を迎えている。建て替えると一校あたり約二億三千万円の建設費と、水道代や薬剤費などの維持管理費が年間百十四万円ほど必要となる。市教委の試算では、民間プールを使えば、平均で一校あたり年間三百万円程度に費用が抑えられる。

 学校プールが使われるのは六、七月の一カ月半。民間プールを活用すれば、天候に左右されず年間を通じて授業をすることも可能で、専門的な指導も受けられる。水質検査や掃除といった管理業務もなくなり、教員の負担軽減にもつながるという。市教委の担当者は「運営面でも、経済面でも効果が高いと考えている」と話す。子どもたちの移動方法などの課題もあり、四月までに対策を検討するとしている。

(伊藤一樹)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20190119/CK2019011902000016.html