電車の迷惑行為にリュックサックが急上昇−。

全国73社の鉄道会社でつくる日本民営鉄道協会(東京都)の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」で、平成30年度は「荷物の持ち方・置き方」が、昨年度まで9年連続首位の「騒々しい会話・はしゃぎまわり」を抑えて初めて1位となった。中でも迷惑がられているのは「リュックサック類」。ビジネスシーンでも使われるようになり人気が広がっているが、「前に抱える」「網棚に置く」といったマナーを実践していない人もまだまだ多いようだ。(小泉一敏)

ランキングは、同協会が毎年実施しているアンケートに基づいて作成。30年度は昨年10月から2カ月間、同協会のホームページで電車を利用する際に迷惑と感じる行為を3つ尋ね、約2700人が回答した。

その結果、昨年度は3位だった「荷物の持ち方・置き方」が全体の37.3%でトップで、「騒々しい会話・はしゃぎまわり」(昨年度1位)、「座席の座り方」(同2位)と続いた。アンケートは11年度から行っているが、「荷物−」は現在の質問方法となった21年度に12位だった以降、緩やかに上昇し、28年度に4位につけていた。

「荷物−」で具体的な迷惑内容を聞いたところ、「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグなど」が66.2%で圧倒的に多く、「座席に置かれた荷物」(9.0%)「床(足もと)に置かれた荷物」(8.3%)「傘(濡(ぬ)れ傘・先端を向けられるなど)」(6.1%)「乱暴なキャリーバッグの運び方」(3.9%)などを大きく引き離した。

こうした結果の背景について、日本民営鉄道協会の担当者は「ビジネスマンの服装が多様になる中、リュックで通勤する人も増えている」と指摘。リュックで通勤する大阪市の男性会社員(35)も「リュックは両手が空き、スマートフォンも操作しやすいので気に入っている」と話す。

ほかの乗客に迷惑をかけないためには「前に抱える」「網棚に置く」などの配慮が欠かせず、関西の鉄道事業者20社が加盟する「関西鉄道協会」(大阪市)は啓発ポスターを作製してマナー向上を訴え、JR西日本など各社は車内放送で呼びかけている。

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