ロシアは、米国のミサイル防衛(MD)網を突破できるとされる大陸間弾道弾(ICBM)などの開発も進めている。プーチン露大統領は2日、2020年の配備を目指すICBM「RS―28 サルマート(別名サタン2)」などを挙げながら兵器開発に取り組む考えを改めて表明し、米国をけん制した。

サルマートは射程が1万1000キロ・メートル以上で、10以上の核弾頭が搭載でき、弾頭部分はマッハ20(時速約2万4500キロ)で滑空飛行してMD網をかいくぐることも可能という。

サルマートに関しては、露国防省系の軍事ニュースサイト「週刊ズベズダ」が1月末、「10発ですべての米国民を殺害する能力がある」とのロシア軍事専門家の見解を伝えていた。

この専門家は、サルマート1発が搭載できる核弾頭の威力について、計6・75〜7・5メガトンと推計し、人口密集地域であれば、単純計算で最大3750万人が命を落とすとの試算を示した。米国の人口は約3億2500万人で約10発で全滅に追い込めるという。

ロシアは昨年12月末、マッハ20の極超音速で飛行する新型兵器「アバンガルド」の発射実験に成功したと発表した。プーチン氏は2日、アバンガルドにも言及した。

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複数の弾頭を搭載できる新型ICBM「サルマート」。別名「サタン2」(2018年7月に露国防省が公表した動画より)
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