02月12日 19時02分

八戸市の八戸赤十字病院で去年5月から、抗生物質が効かないVRE=「バンコマイシン耐性腸球菌」に入院患者が相次いで感染していた問題で、病院は12日記者会見し「感染者のうちの1人についてはVREが原因で死亡したことを否定できない」と明らかにしました。

VRE=バンコマイシン耐性腸球菌は一部の抗生物質が効かない細菌で、病気で抵抗力が落ちている人が感染すると敗血症など重い症状を引き起こすことがあります。

八戸赤十字病院は12日記者会見し、VREに感染した入院患者の数について、これまでホームページ上で「去年5月から12月までに64人」としていたところを「去年5月から11日までに71人」としました。

そのうえで、このうちの14人が死亡し、13人については患者が抱えていたもとの病気が原因だとわかったものの、1人については「症状が非常に重く、VREが原因で死亡したことを否定できない」と明らかにしました。

病院では、VREの院内感染が起きた可能性があるとしています。

また、感染拡大防止策をとっていて、診療は通常どおり行っているということです。

会見で、八戸赤十字病院の瀬尾喜久雄院長は「初動の段階でVREの検査が遅れたことで感染が拡大した可能性がある。入院患者やご家族には大変な心配をかけ、申し訳ない」と述べました。

【八戸城北病院でも感染】
また、12日は、八戸市にある八戸城北病院でも、去年の1月から秋ごろにかけて、患者およそ15人がVREに感染していたことがわかりました。
病院では、院内感染があったかどうかはわからないとしていますが、VREが原因で死亡した人はいないということです。
また、感染拡大防止の対策をとっていて、診療は通常どおり行っているということです。

【県が対策呼びかけへ】
青森県などによりますと、県内で去年1年間にVREによる感染症の症状が出た人は、八戸市であわせて6人確認されたということです。
ことしに入ってからは、症状が出た人の報告はないということです。
県は、県内95のすべての病院に、VREを含む院内感染の対策を徹底するよう、文書で呼びかけることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20190212/6080003850.html