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 農水省は12日、豚コレラ発生に伴い、豚を出荷できなくなった農場への新たな経営支援策を明らかにした。移動制限や出荷自粛により生じた減収などを補填(ほてん)する。想定する対象は、発生が確認された岐阜、愛知、長野、滋賀、大阪の5府県を含む11府県181農場に上る。同省は府県の詳細は示していない。岐阜、愛知両県向けに防護柵の設置支援のため総額1億8000万円を措置するなど、野生イノシシ対策の概要も示した。

 同省は181農場の詳細は示していないが、愛知県はそのうち107農場が同県にあると公表している。

 経営支援策は、家畜伝染病予防費負担金の2000万円で対応する。移動制限で豚が出荷できない期間が続くと、流通規格を超える大きさに成長し、価格が下がる場合がある。その際の売り上げ減少分に加え、出荷制限中にかかった飼料代の増加分などを補填する。

 対象となるのは、発生農場の周囲にあって移動制限を受けた農場の他、発生農場と同じと畜場を使うなどの関連があり、同省が「監視農場」と位置付ける農場。監視農場には出荷、移動の自粛を要請している。

 同省は「幅広く網を掛け、少しでも接点がある農場は対象にした。減収への備えを示すことで、感染防止に協力する農家の不安を取り除きたい」(動物衛生課)と考える。

 岐阜、愛知両県向けの野生イノシシ対策の一環として、わな設置や遺伝子検査の経費支援に向けて、両県に合計1000万円を追加配分する。

 捕獲活動の支援には、鳥獣被害防止総合対策交付金を活用。岐阜、愛知の両県は、鳥獣被害防止総合対策交付金での交付限度額を撤廃。両県に2000万円ずつ追加交付し、捕獲や家畜保健衛生所への運搬、わなの消毒などに充ててもらう。長野、滋賀、大阪は従来の限度額の範囲内で対応する。

 イノシシ防護柵の設置には、同交付金を岐阜に1億2000万円、愛知に6000万円を交付する。6日以降の着工分が対象。国が費用の10分の9を支援する。

2019年02月13日
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