小4女児死亡 母親逮捕に支援団体「保護されるべき被害者」


 千葉県野田市の小学4年栗原心愛さん(10)が自宅浴室で死亡した
事件で、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者を支援する
NPO法人「全国女性シェルターネット」(東京)は今月、
DV虐待事案として対応を求める声明を出した。家族を暴力で支配する
DVと虐待は一体と捉え、母子をともに守るシステムが必要と訴える。

 同ネットは、暴力を受けた女性を保護する全国67団体で構成。
事件は、心愛さんに冷水シャワーをかけるなどしたとして、
父親の勇一郎容疑者(41)と母親のなぎさ容疑者(32)が逮捕された。
事件前、行政はなぎさ容疑者のDV被害の情報に接していたが踏み込んだ
対応をしていなかった。

 声明は、DV加害者は「最も大切にする子どもを痛めつけることで、
(母親の)支配と拘束を強める」と指摘。「母親なのだから命に代えても
子どもを守るべきだという神話は通用しない」とし、暴力で支配された
母親が子を守る難しさを挙げた。

 その上で「(心愛さんの)母親は保護されるべきDV被害者であり、
逮捕されるべき容疑者ではない」と結び、DVと虐待に一体的に
対応できる支援システムや法の整備を求めた。

 声明に対し、兵庫県宝塚市のNPO法人「女性と子どものエンパワ
メント関西」の田上時子理事長(68)は「暴力の被害者である母親が
共犯と捉えられ、逮捕されたことに驚いている。心身が弱っているで
あろう母親に、子どもを守れというのは酷だ」と話している。


神戸新聞NEXT・中川 恵(2019/2/25 18:52)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/0012096664.shtml