日本民間放送連盟(民放連)ラジオ委員会が6日、都内で会見を行い、radikoが提供するIPサイマルラジオ「ラジコ」上で、FM放送とインターネットラジオを切り替えてラジオ番組を聞くことができるスマートフォン「ラジスマ」の発売が先月よりスタートしたと報告。同機能により、日本初となるワンタッチで放送と通信の切り替えが可能となる。

 ラジスマには、アプリ「radiko+FM」がインストールされており、同アプリを立ち上げて、特定の局を選ぶと、FMチューナーのオンオフができるスイッチが出現。日本全国の民放ラジオの周波数が事前登録されているため、自分で周波数を合わせる必要がなく、インターネットラジオとFM波を使い分けて楽しむことができる。

 radikoに対応していないラジオ局を選択する場合や、災害時でインターネットラジオが接続できない際には、自分で周波数を合わせれば、ラジオを聞くことが可能。FM波でラジオを聞く場合には、イヤホンを入れてアンテナの代わりにする必要がある。

 ラジスマのメリットは大きく「受信環境に合わせて、FM放送とインターネットラジオを切り替えて聞くことができる」「FM放送とインターネットラジオのどちらかで聞いていても、番組情報や楽曲情報などを画面で確認できる」「災害時などで通信が途絶えた場合でも、アプリ『radiko+FM』は、FM放送受信用に起動できる」の3点。現時点で発売となったラジスマは、NTTドコモのらくらくスマートフォンme F-01L by FUJITSUとauのURBANO V04 by KYOCERAの2機種となっている。

 ニッポン放送の社長で、民放連ラジオ委員長の岩崎正幸氏は「ラジオは、人々の生活に深く根を下ろし、災害時にはライフラインとして役に立ってきたと自負しておりますが、近年、私どもを取り巻く環境は激変し、この10年ほどのスマホの急激な伸びによって、あらゆる場所でメディアからの情報摂取が可能となりました」と現状を説明。「多様化するメディア環境の中で、存在が埋没しかねないという危機に直面しているのも事実です。危機意識をもって、さまざまな取り組みする中で、最も大きな成功を収めたのはradikoの普及。そして今回、生き残っていくための新しいツールを手に入れることができました。ラジスマの普及はすなわちラジオの普及。千載一遇のチャンスだと考えています」と言葉に力を込めた。

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