https://www.jiji.com/jc/article?k=2019030900471&;g=soc

有事に備え鹿児島県・奄美大島と沖縄県・宮古島に新設される陸上自衛隊駐屯地。防衛省の計画では、
尖閣諸島など離島侵攻の兆候があれば、先遣隊や増援部隊が北海道〜九州の陸自師団・旅団から派遣され、
南西諸島の駐屯地を中継地や拠点にして侵攻が予想される島に展開する。
 
陸自は機動性を高めるために全国の師団と旅団の改編を進めており、これまでに第8師団の北熊本駐屯地(熊本市)、
第14旅団の善通寺駐屯地(香川県善通寺市)に有事に管轄地域を越えて展開する即応機動連隊(800人規模)を編成した。
 
同連隊には戦車並みの火力を備え、最高時速100キロで走行できる機動戦闘車が配備されている。
南西諸島有事には空自C2輸送機などで派遣される。
 
同省によると、即応機動連隊は今月、第11旅団の滝川駐屯地(北海道滝川市)、第6師団の多賀城駐屯地(宮城県多賀城市)にも編成される。
 
離島が侵攻された場合には、相浦駐屯地(長崎県)などの水陸機動団が水陸両用車(AAV7)とともに投入される。
水機団の装備を運ぶのは呉基地(広島県)配備の海自「おおすみ」型輸送艦で、AAV7を発艦・収容できるように3隻のうち2隻を改修した。
 
陸自は輸送艦に水機団を乗せ、東シナ海の離島海域に平時から展開させることも検討している。
防衛省幹部は「島しょ防衛専門部隊の存在を示すことで、抑止力につなげたい」と話している。
 
一方、空自は2020年度に最新鋭の早期警戒機E2Dを那覇基地(沖縄県)に配備する方針。


米海兵隊との訓練を実施した陸上自衛隊「水陸機動団」の水陸両用車(AAV7)
=1月、米カリフォルニア州のキャンプ・ペンデルトン(海兵隊提供)
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/20190309at38S_p.jpg