※たまたまスレ

 漫画やアニメを無断で掲載する海賊版サイト対策を目的とした著作権法改正案をめぐり、自民党内の議論が混迷している。

 文化庁の案は違法な著作物をダウンロードする幅広い行為を刑事罰の対象としたことから、議員の一部が「インターネット上の活動を萎縮させる」と反発しているためだ。党内では抜本的修正は不可避との声も出ている。

 超党派の「MANGA(漫画)議員連盟」の古屋圭司会長(自民党衆院議員)が先週、文化庁案は「十分に状況を把握して出していない」として、安倍晋三首相に著作物全般を対象にした部分の削除を求めた。自民党幹部は12日、「削除はない。それをやれば逆のメッセージになる」と不快感を示した。

 自民党は12日の総務会で、同改正案を議題にせず、了承を見送った。8日の総務会に続くもので、加藤勝信総務会長は記者会見で「(取り扱いは)関係者間で検討されている」と述べるにとどめ、今後の見通しを示さなかった。同党の文部科学部会の幹部らが13日に対応を協議する予定だ。

 改正案は、ダウンロードすると民事・刑事責任を問われる違法コンテンツの範囲を、従来の音楽と映像から、漫画、アニメ、写真、論文など著作物全般に広げるのが柱。私的鑑賞が目的でも、2年以下の懲役、200万円以下の罰金が科される可能性がある。

 文化庁は刑事責任の成立に(1)違法と認識(2)行為を継続・反復(3)有償の正規版が存在−などの要件を挙げ、不安払拭(ふっしょく)に努めている。しかし、ネット上の情報を保存する「コピペ(コピーアンドペースト)」など日常的な行為も違法となる恐れが排除できず、規制を求めてきた出版業界からも懸念の声が出ている。

 このため、自民党は先月22日の文科部会でいったん了承したが、今月1日の総務会では「十分な理解が得られていない」などとして、部会に差し戻した。その後、6日の部会で改めて了承を取り付けたが、総務会を通過する見通しは立っていない。

 政府・与党が設定する政府法案の国会提出期限は19日。菅義偉官房長官は12日の記者会見で「海賊版サイトの被害は深刻さを増しており、一刻も早い対策が求められる」と指摘。ただ、改正案については「(今国会成立を)目指しながらも、まず与党と調整する」と述べるにとどめた。 

3/13(水) 7:18
時事通信
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