https://www.yomiuri.co.jp/national/20190314-OYT1T50329/

全国の特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)で、転倒などの事故で死亡した入所者が、
2017年度の1年間に少なくとも1547人(速報値)に上ることが、厚生労働省が初めて実施した調査で分かった。

 介護施設で事故が起きた場合、施設側は市区町村に報告するよう介護保険法などで義務付けられているが、自治体から国への報告義務はない。
厚労省は実態を把握するため、全国1741市区町村や施設に対して実態調査を行った。市区町村の有効回答は1173自治体だった。

 調査結果によると、特養では772施設で1117人が死亡し、老健では275施設で430人の死亡事故が起きていた。

 事故の内容は転倒や誤嚥ごえん、薬の誤飲などが含まれているとみられるが、どのような事故について
報告を求めるかは自治体によって異なり、報告範囲を定めていない自治体も41・6%あった。

 また、介護事故の報告件数について、46・7%の市区町村は「集計や分析を行っていない」と回答した。
集計していた市区町村でも「要因や傾向の分析を行っている」としたのは7・8%にとどまった。

 厚労省によると、特養は、全国に約1万施設あり、約60万人が入所。老健は約4300施設で、36万人が入所している。