おととし、金沢市の住宅で、交通違反の手続きで訪れた警察官2人がナイフで切りつけられ大けがをした事件で、殺人未遂などの罪に問われた被告に、金沢地方裁判所は刑事責任を問える精神状態だったことには疑いが残るとして無罪を言い渡しました。

おととし8月、金沢市の住宅で、交通違反の事務手続きで訪れた警察官2人が切りつけられた事件では、この家に住む38歳の被告が2人の顔などをサバイバルナイフで突き刺し大けがをさせたとして、殺人未遂などの罪に問われました。
裁判では、刑事責任を問える精神状態だったかどうかが争点になり、弁護側が「心神喪失状態だった」と無罪を主張したのに対し、検察は「限定的ながらも刑事責任能力はあった」として懲役8年を求刑していました。
18日の判決で、金沢地方裁判所の田中聖浩・裁判長は「統合失調症による被害妄想などの影響を受けていたことは否定できず、違法性の認識がなかった」と指摘した上で、刑事責任を問える精神状態だったことには疑いが残るとして、無罪を言い渡しました。
今後、無罪が確定すれば、検察の申し立てを受けて、裁判所が医療機関で専門的な治療を受けさせるか判断することになります。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20190319/3020001292.html