2019年3月23日14:35
週末の政治
「Netgeek」と共に大手フェイクニュースサイトとしてしられる「アノニマスポスト」。これまでも「泉放送制作のせいで民放が偏向報道」というデマの拡散源になった他、自民党議員を批判した俳優の坂上忍さんに対する「在日認定」のヘイトデマの拡散、さらには癌で闘病中だった翁長前沖縄県知事を嘲笑・侮辱するなど、その姿勢は極めて悪質です。

そのアノニマスポストが3月21日に告示された大阪府知事選挙に関し、大阪維新の会の吉村洋文前大阪市長の対立候補である小西禎一元府副知事に対して悪質なデマで選挙妨害を行っています。

当該記事のタイトルは「【大阪W選挙】大阪府知事選挙 吉村候補にデマを指摘され、ふてくされる小西候補〜ネットの反応『嘘がばれて背中向けるって、子供か!』『吉村候補の引き立て役になってるwww』『大阪府民は全員この映像を見た方が良い』」(魚拓)というもの。


記事トップの画像を見ると、カメラを見ながら喋っている吉村候補の隣で小西候補が背中を向けているため、「デマを指摘され、ふてくされる」ように見えなくもありません。しかしこれは完全なデマ。

キャプチャされた画像は報道ランナーの「W選挙 討論会スペシャル」の一幕です。

番組での位置関係を見れば明確に分かりますが、小西候補の向いている先には都構想に関するパネルがあり、その先にはコメンテーターら3人が着席しています。つまりパネルを見てコメンテーターらの方を向きながら話をするのはまったくもって自然なこと。


上記の画像も例えば「小西候補に都構想の嘘を暴かれ、知らんぷりを決め込む吉村候補」というキャプションをつければなんとなくそうとも見えてしまいますが、当然それは極めて悪質なデマでしかありません。

つまりアノニマスポストは、番組を見ていれば完全に間違いであると分かるにも関わらず、小西候補の「デマを指摘され、ふてくされる」ように見える瞬間を切り取り、フェイクニュースであることを知った上で意図的に掲載し拡散しています。

驚くべき事にこのフェイクニュースのツイート(魚拓)は3月22日9:24から14:05までの4時間半あまりで6500回以上リツイートされ、11000件以上のいいね!を獲得しています。350件近いコメントのほとんどはデマだとの指摘ですが、どれくらいのツイッターユーザーがこのフェイクニュースに「釣られた」のでしょうか?

さてここで公職選挙法を見てみると、アノニマスポストは「虚偽事項の公表罪」という公職選挙法第二百三十五条2項に違反している可能性があります。

アノニマスポストが行っているのは、映像の一部の切り取りによる印象操作の域を超える完全なるデマの流布であり、告示された大阪府知事選の候補者を貶めるために意図的に行われたもの。

「当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした」事は言い逃れできませんが、いったいどう落とし前を付けるつもりなのでしょうか?