◆ 二輪用「ドラレコ」も人気! 今や「あおり運転」は世界規模で問題に

■ 社会問題となった「あおり運転」の危険性

近年、車間距離を極端につめて威圧したり、幅寄せや急停止で運転を妨害する「あおり運転」は、社会問題として様々なメディアで取り上げられています。
2017年7月には、東名高速で「あおり運転」により停車させられたワゴン車の夫婦がトラックに追突されて死亡するなど、「あおり運転」行為が起因となった重大事故が報じられました。

また、二輪車においても同様に、2018年7月に大阪府堺市南区で大型バイクを運転中の男性が、クルマに「あおり運転」された末に追突され、死亡する事故が発生しています。
そうした「あおり運転」などの交通トラブルにあった際、当時の状況を映像として残せる装備として近年、ドライブレコーダーが注目を集めています。

実際に一般社団法人ドライブレコーダー協議会が発表した統計データによると、2018年1月から3月にかけて出荷された台数は、95万台を突破。
4月から6月にかけては78万台と落ち込みましたが、10月から12月にかけては93万台まで出荷台数を回復しています。

■ バイクにもドライブレコーダーが当たり前の時代に!?

クルマではすでに一般的といえるドライブレコーダーですが、バイクにおいても様々なメーカーがそのアップデートに力を入れています。
これまでバイク用のドライブレコーダーは前方の1カメラのみという製品が主流でしたが、ETC車載器で多くのシェアを誇る「ミツバサンコーワ」は、前後にカメラを採用した最新モデルを2019年3月22日から開催された東京モーターサイクルショーで発表しました。

この製品を開発した経緯について、ミツバサンコーワ第二営業部の上原聡太氏は以下のように話します。

「バイクはクルマに比べ、交通事故に遭うリスクの高い“交通弱者”の部類に入ります。
そうしたことを踏まえ、ライダーの方々に安心して使って頂けるドライブレコーダーが必要だという考えに至り開発しました。
また、近年バイクで走行中に“あおり運転”に遭われる方は非常に増えているようで、多くのユーザーから製品化を望む声を頂いています。
機能面においては、画質の調整や不要データの消去、動画のプレビューなど、すべての操作をペアリングしたスマートフォンで行えます。
クルマとは異なり、バイクは振動が大きいため防振対策には苦労しましたが、ブレ防止センサーの搭載で美しい画質を実現しました。
トラブルに巻き込まれた際の立証や、思い出に残したい景色の保存などに役立てていただければと思います」

■ 韓国ではドラレコ装着車は保険料値引きの対象に

東京モーターショー2019の会場では韓国のメーカー「THINK WARE」も前後にカメラを備えた新型のドライブレコーダーを出展。
実際に製品を装着した車両も展示されました。

同社の製品では航空ドローンにも採用される6軸センサーを採用することで、揺れのない映像を実現していますが、今回の製品開発の経緯についてTHINK WAREの朴 洪英氏は次のように言います。

「日本と同じように、韓国でも“あおり運転”のような行為は多く見受けられますし、問題になっています。
そのため、より安全にバイクに乗ってもらうために二輪用ドライブレコーダーの開発に着手しました。
すでに韓国とアメリカの市場に納入していますが、ツーリングを楽しむようなユーザーから高い支持を得ています。
また、日本市場にも近日中に導入予定です。
韓国の場合、ドライブレコーダーを装着している車両は保険料値引の対象となりますが、日本においてもそうした制度が導入されることで普及が進めばと思います」

※ ※ ※

2018年のアメリカ自動車協会(AAA)の調査によると、アメリカ人の8割以上が「後続車から煽られたことがある」と回答するなど、「あおり運転」は今や世界各国で問題となっています。
ドライブレコーダーを装着したからといって完全に「あおり運転」を回避できるとは限りませんが、万が一の際の立証用として備えおくのもいいでしょう。

(写真)ミツバサンコーワ製ドライブレコーダーリアカメラ装着例
https://amd.c.yimg.jp/amd/20190327-00010001-kurumans-000-8-view.jpg

くるまのニュース 2019/3/27(水) 7:10
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190327-00010001-kurumans-bus_all