「安倍・麻生氏の意向忖度」 下関北九州道で国交副大臣、利益誘導認める

 塚田一郎国土交通副大臣(自民参院議員)は1日夜、北九州市内の
集会で、同市と山口県下関市を新たに結ぶ「下関北九州道路」
(下北道路)を巡り、本年度から事業化に向け国直轄調査に移行する
決定をしたことについて「総理とか副総理が言えないので、
私が忖度(そんたく)した」と述べた。下北道路は安倍晋三首相が
下関、麻生太郎副総理兼財務相が福岡県を地盤にしていることから
「安倍・麻生道路」とやゆされてきた。現職副大臣が利益誘導を
認めた「忖度」発言は、大きな批判を浴びそうだ。

 塚田氏は同日、福岡県知事選に立候補している自民推薦候補の
応援演説をするため北九州入りしていた。塚田氏は時期は
明かさなかったが、下北道路建設を推進する自民の吉田博美参院幹事長と
面会した際、「これは総理と副総理の地元の事業だよ」と言われた
ことを明かした上で、「私は物分かりがいい。すぐ忖度する。
分かりましたと応じた」と話した。さらに「私は筋金入りの麻生派だ」
とも強調した。

 塚田氏は新潟県生まれ。2000〜02年まで麻生氏の秘書を務め、
07年、新潟選挙区から参院議員に初当選。現在、麻生派に所属している。

 下北道路は、08年3月に当時の自公政権が調査中止を決めたが、
17年度から地元自治体などによる調査を再開。19年度予算で
調査費として約4千万円を計上した。

■「発言撤回し謝罪」 塚田副大臣が談話

 塚田一郎国土交通副大臣は2日、一連の発言について「事実と
異なるため撤回し、謝罪申し上げます。下関北九州道路については
今般、国において事業の必要性などに鑑み、直轄調査を実施することと
したところです」との談話を発表した。

=2019/04/02 西日本新聞夕刊=

西日本新聞(2019年04月02日12時14分、更新 04月02日 13時46分)
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/499180/