日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が中東オマーンの販売代理店を介し、日産資金を不正取得したとされる特別背任事件で、ゴーン容疑者が、この代理店の創業者から約3000万ドル(現在のレートで約33億円)の借金をしていたことが4日、関係者への取材で分かった。

 ゴーン容疑者が署名した念書も見つかったという。

 販売代理店には、少なくとも計3200万ドル(約35億円)の日産資金が送金されており、東京地検特捜部は、こうした資金が借金返済に充てられていた可能性もあるとみて、捜査を進めているもようだ。

 関係者によると、ゴーン容疑者が代理店創業者から借金をしたのは2009年1月。前年秋のリーマン・ショックで世界的に株価が下落し、同容疑者も私的なデリバティブ取引で巨額の評価損を抱え、資金繰りに困っていたとされる時期だった。

 署名入りの念書は、昨年11月に役員報酬を隠した疑いで逮捕された後、同容疑者が使用していた東京都内のマンションで見つかったという。 

時事通信 4/4(木) 16:04
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