動物虐待の検挙件数が過去最高

(FNN PRIME)
ペットブームの一方で後を絶たない動物虐待。警察庁の統計でもその急増ぶりが裏付けられている。

【実物】大学准教授がこの毒エサでハトを殺した

全国の警察が、去年1年間に、身の回りの動物やペットなどを虐待したとして、動物愛護法違反の疑いで検挙した事件は84件にのぼった。

2010年の33件に比べ、50件以上も増加。統計を取り始めて以降最多となった。

放置や不適切な飼育が大半 カメやハムスターも

虐待された動物の中で最も多いのは「猫」。

猫に関する事件は51件で、84事件の6割を占めている。
次いで「犬」が28件で続き、「カメ」や「ハムスター」なども含まれていた。
ではどういった虐待が行われたのか。

1:男が約1か月間、飼い犬2匹を排泄物が堆積した場所に閉じ込めたうえ、エサや水を与えなかった。(岐阜)

2: 女が猫23匹を排泄物の溜まったマンションの一室で飼育。(神奈川)保護された際、1匹はケージの中で死ぬ。

いずれも不衛生な環境下で犬や猫を飼育して虐待を行ったという事案だ。

動物虐待を内容別にみてみると、

△動物を置き去りにするなど遺棄 34件
△餌・水を与えないなど不衛生な環境下で飼育 32件
△動物を殺す・傷つける 18件

虐待どころか、殺してしまうケースも少なくないことに驚く。

虐待動画をネット投稿も急増

さらに、摘発された事件の中には、自ら動物を虐待した様子をインターネットに投稿したケースもあるという。
今年に入ってからも、猫を水路に放り投げ虐待した様子を撮影し動画投稿サイトで公開した男が立件されている。

動物虐待の検挙増の背景について、警察庁幹部は「社会的な関心が高まったことで通報自体が増えている」と語る。
動画投稿の増加も、事件認知の増加との関連があるかもしれない。

「虐待」実態把握しきれず・・・そのワケは

しかし、動物虐待の実態は、今回の動物愛護法だけに絞った検挙件数だけでは把握しきれない。

今月、東京の公園で殺虫剤を染み込ませたエサをまき、それを食べたハトを死なせた疑いで大学の准教授が逮捕された。
これは動物愛護法違反ではなく、鳥獣保護法違反だ。


「飼育しているハト」であれば動物愛護法が適用されるが、「野生のハト」には鳥獣保護法が適用されるのだ。
動物虐待は近隣住民に大きな不安を与える卑劣な犯罪だ。

警察は事件の認知、早期解決を引き続き進め、住民の安心・安全確保に努めていただきたい。

FNN 4/4(木) 17:00
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190404-00010005-fnnprimev-soci