https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/500059/

新元号が「令和」に決まった1日に発行された各新聞社の号外が、個人間で品物を売買するフリーマーケットアプリ
「メルカリ」やインターネット競売サイト「ヤフオク」に相次ぎ出品されている。新聞号外は本来無料だが、高値で取引される
ケースも少なくなく、識者からは過熱ぶりを懸念する声も上がっている。

メルカリでは5日現在で5千点近く出品され、1部当たりの値段はおおむね500〜1500円。
中には1部5千円で取引されたり、限定発売の「令和」ラベル入り清涼飲料水とセットで4万5千円の高値で出品されたりする例も。
ヤフオクでも500点超が出品され、1部1万円、清涼飲料水とセットで約4万円−と高額の号外が目を引く。

出品者は、発行元のほか「○○の駅前でもらった」「美品」−と入手場所や状態を紹介。中には「将来は価値が上がる」と
消費者をあおる人もいれば、「裏面の元号総覧はためになる」と売り込む半面、どの新聞の号外か明確に示していない“慌てん坊”もいる。

西日本新聞もメルカリで千円前後、ヤフオクでは号外と翌日朝刊のセット1600円などの出品があり、西日本新聞社販売局は
「号外入手の希望者には無料(送料は自己負担)で差し上げますが、転売目的ならお断りします」と呼び掛ける。

消費行動に詳しい西南学院大の宮原哲(あきら)教授(コミュニケーション学)は「号外配布に大衆が群がるニュース映像に反応したのだろう。
改元の意味も、号外の価値も考えず、転売に走るのは、商魂をゆがませる行為。SNS(会員制交流サイト)の影響も含め、
動きが広がった一種の集団行動だと思うが、好ましいものではない」と指摘する。