京都市右京・西京両区の桂川河川敷で「野犬が増加している」「行政は何をしているのか」との声が読者メールなどを通じて相次いで寄せられ、現場に行った記者も野犬に遭遇した。数年前からすみ着いていた成犬が繁殖したとみられ、行政も餌を与えないよう呼び掛ける看板を追加したり檻(おり)で捕獲したり対策をとるが、抜本的な解決に至っていない。

記者も現場で遭遇

 松尾橋右岸沿いの嵐山東公園(西京区)は子どもの遊び場だ。土手沿いを2匹の小型犬と散歩中だった会社員女性(33)は「野犬は大型の雑種で、散歩中に襲われたりしないかと最近は警戒している」と神経をとがらせる。記者が上野橋上流左岸(右京区)で夕刻に見た2匹は、河原で寝ていたが近づくと威嚇するようにほえた後、茂みに逃げ込んだ。
 近くの住民の話によると、数年前から松尾橋と上野橋間の左岸河川敷にすみ着いていたが、徐々に子どもを産んで増えたという。
 次第に川を泳ぐなどして北上し、3月上旬には渡月橋下流付近まで範囲を広げた。同じ時期に、桂川を管理する国交省淀川河川事務所は京都市医療衛生センターと連名で、注意喚起と餌を与えないよう呼び掛ける看板を渡月橋と松尾橋間に9枚追加し、14枚とした。
 捕獲用の檻を2013年ごろから設置している市医療衛生センターと動物愛護センターによると、昨年4月から今年3月下旬までに39匹を捕獲したうちの半数以上が子犬だったという。
 現在も十数匹がいるとみられ、日中でも茂みの中からたびたび鳴き声が聞こえる。警戒心が強く、人の目を避けて行動している。
 市医療衛生センターは「繁殖の要因となる、餌を与えないで」と訴えている。

京都新聞 4/7(日) 10:30
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190407-00010000-kyt-l26