◆ 「ステルス機なのにレーダーに映る!?」 F-35A墜落をめぐる3つの疑問

航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機、F-35Aが青森県沖の太平洋上で墜落してから、4月16日で1週間を迎える。
事故は、9日午後7時半ごろ、航空自衛隊三沢基地所属のF-35A戦闘機1機が三沢基地の東、約135キロの太平洋上を飛行していた際、機影がレーダーから消え、無線連絡も途絶えたものだ。
現場周辺の海域で、左右の尾翼の一部が見つかったことから、防衛省は10日、この戦闘機が墜落したと断定した。

現場周辺の海域では、行方不明となっているパイロットの細見彰里3等空佐(41)と機体の捜索が24時間態勢で続けられているが、機体の大部分が見つかっていないことから、事故原因の調査は長期化する可能性がある。
この事故をめぐる3つの疑問を検証する。

■ ステルス機なのにレーダーに映る!?

1つめの疑問。
F-35Aはレーダーに探知されにくい最新鋭のステルス戦闘機だ。
それなのになぜレーダーに映っていたのか。

航空自衛隊によると、「安全管理のためにレーダーに映るようにしていた」 (航空幕僚監部)ということで、「レーダーリフレクター」というレーダー波の反射装置を使っていたことが考えられる。
訓練によっては、ステルス性能のない外部燃料タンクなどを取り付け、あえてレーダーに映るようにすることもあるという。
また、訓練中は自機の識別信号などを発信する「ATCトランスポンダ」を使い、地上の管制用レーダーで機体の高度や位置情報が把握できる仕組みになっている。

事故機は、9日午後6時59分、夜間の対戦闘機戦闘訓練のため、ほかの3機と共に三沢基地を離陸。
訓練空域には10分ほどで到達した。
パイロットの細見彰里3等空佐(41)は、総飛行時間が約3200時間のベテランで、F-35Aの飛行時間は約60時間。
訓練では「編隊長」として、ほかの3機を指揮する立場だった。

4機は2機ずつに分かれて攻撃と防御の訓練をはじめたところ、午後7時26分、攻撃側だった細見3佐が「ノック・イット・オフ(Knock it off = 訓練中止)」と無線で伝え、1分後の午後7時27分に機影がレーダーから消えた。
戦闘機のパイロットは、緊急時に座席ごと射出される「緊急脱出」を行うが、今回の事故では、そうした形跡がなく、脱出後にパイロットの位置を示す「ビーコン」と呼ばれる発信機からの救難信号も確認されていない。

■ 中国、ロシアが機体を狙っている!?

2つめの疑問。
F-35Aは機密性が高く、中国やロシアが機体回収に乗り出すとの懸念が出ているが、なぜ狙われるのだろうか。
F-35は、高度な情報収集能力を持つ「空飛ぶセンサー」ともいわれ、その情報をリアルタイムで共有できる「データリンク」を備えている。
元防衛相の中谷元衆院議員は9日、BSフジの番組で「世界の安全保障に大きな影響を与える事故だ」と指摘した上で、「世界最高の機密が詰まった戦闘機で、ひとつの断片でも各国が狙っている」と危機感をあらわにした。

中谷氏は「ステルス性能や中国、ロシアが開発している極超音速滑空体(ミサイル)を発射直後に叩くための性能を開発中で(西側)各国に影響を与える」ため、「アメリカも血眼になって探している」と強調。
また、自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は、11日の記者会見で「周辺国の艦艇等の動きは、常に監視している」とけん制した。
これまでに現場海域では、特異な動きは確認されていないという。

現場周辺の海域では、細見3佐と機体の捜索が24時間態勢で続けられている。
自衛隊は、空自のU-125A救難捜索機やSH-60J哨戒ヘリコプターなど航空機5機、海底を面で探索できるマルチビーム測深器を搭載した海自の潜水艦救難艦「ちよだ」など艦艇6隻。
海上保安庁は、巡視船「しもきた」と「まべち」。
米軍はイージス駆逐艦「ステザム」やP-8哨戒機のほか、グアム島配備のB-52H爆撃機や韓国展開のU-2S高高度偵察機も飛行させた。
政府関係者は「米艦船は捜索とは異なる動きをしていて、中国やロシアをけん制している」との見方を示した。

■ 国際共同開発機で日本製!?

そして第3の疑問。
空自に配備されているF-35Aは最終組み立てを日本で行ったものとアメリカで行ったものがある。
なぜ組み立て国が違うのだろうか。

※続きは下記のソースでご覧ください

FNN PRIME 2019/4/15(月) 18:00
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190415-00010004-fnnprimev-pol