福岡市西区愛宕浜の市営渡船乗り場で今月、電動車いすの男性が小呂島行きの船に乗ろうとしたところ、乗降の際の段差や船内での安全確保に不安があるとの理由で利用を断られていたことが分かった。男性から改善を求められた市は、電動車いすでも乗船できるよう、スロープ設置など船内のバリアフリー化を検討するとしている。

 男性は、脳性まひで電動車いすを使っている兵庫県西宮市の大久保健一さん(42)。

 大久保さんによると、13日午前9時発の渡船を利用しようとしたが、船長らから「乗降口に段差がある」などと説明され、乗船を拒まれた。大久保さんは、抱えてもらって乗船し、運航中は通路で過ごすことを提案したが、受け入れられなかったという。これまでも公共交通機関で乗車拒否に遭った場合、問題提起している大久保さんは、市営渡船の対応を「非常に残念」と批判。県弁護士会に人権救済を申し立てた。

 市客船事務所は取材に対し、運航中に通路にいると船の揺れで転倒する恐れがあり、安全のためやむを得なかったとしている。担当者は「十分に説明できず、不快な思いをさせてしまったことは申し訳ない」と話した。

4/18(木) 9:50配信
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