工藤会本部撤去はいつ? 暴追センター買い取り可能に 売却益、活動資金流用の懸念も
毎日新聞 2019年4月21日 08時00分(最終更新 4月21日 08時00分)
https://mainichi.jp/articles/20190420/k00/00m/040/238000c

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市街地に建つ工藤会の本部事務所(手前)=北九州市小倉北区神岳で、本社ヘリから

 暴力団被害者の支援などに取り組む福岡県暴力追放運動推進センターの役割に「暴力団事務所の撤去支援」が加わった。北九州市が目指す特定危険指定暴力団「工藤会」(同市小倉北区)の本部事務所撤去に向けた布石だ。
センターを介して事務所を買収することで暴力団への直接的な税金投入を避ける狙いがあり、水面下では市と工藤会との交渉も進む。ただ数千万円と見込まれる売却益が工藤会の活動資金に使われる懸念もあり、撤去実現の時期は見通せない。

 1992年の暴力団対策法施行に伴い都道府県に設置された暴追センターは、暴力団被害者の支援や相談、組員の離脱支援などの活動を続けており、2013年の改正暴対法施行以降は住民の代理として暴力団事務所の使用差し止め訴訟も提起できるようになった。

※中略

◆原資は市民の税金

 工藤会の本部事務所を巡っては、北九州市が昨年12月、滞納している固定資産税約900万円を確保するため土地と建物を差し押さえた。年明けには工藤会側から市に事務所売却の申し出があり、2月から査定を実施。売買契約が成立すれば、北橋健治市長が公約に掲げる本部事務所の撤去は実現する。

 課題は工藤会側に入る売却益の扱いだ。関係者によると、市は査定額として1億数千万円を提示しているという。実際の買い取り額は査定額を下回るとみられ、滞納している固定資産税のほか、土地取引にかかる税金、建物の解体費用などでかなりの額が消えるが、それでも数千万円は残る計算だ。

 工藤会は売却益について、一連の一般人襲撃事件で損害賠償を求める裁判を起こした被害者への賠償に充てると市に伝えている。残った場合も「プールして将来の賠償資金にする」とするが、工藤会の活動に利用されるのでは、という市側の懸念は拭えない。

※以下省略
 

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