夜の政治
 憲法改正をめぐり、野党の「長期休暇」が続いている。今国会では3月28日に衆院憲法審査会の与野党の幹事同士で懇談会を開き、今後の段取りを議論するはずだったが、欠席した。以来、与党側の協議呼びかけに応じていないのだ。18日には、自民党の萩生田光一幹事長代行が「野党の欠席戦術」を批判したことに猛反発し、与野党間で予定された会談を欠席した。このまま「職務放棄」したまま大型連休(GW)に突入すると、「40連休」にもなりかねない。

 「新しい『令和』の時代になったら、少しワイルドな憲法審査を進めなければならない」

 自民党の萩生田光一幹事長代行は18日、インターネットテレビ番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」に出演し、こう語った。今国会、衆参の憲法審査会で野党側の出席が得られず、一度も開催されていない現状を嘆いたものだ。

 萩生田氏は同番組で、「ここまで我慢してきたのに、審査会を開けない」「(野党側は)国民の主権を奪っている!」とも発言した。

 憲法改正では、国民も「国民投票」という形で直接コミットできる。だが、憲法審査会で議論に入れないと、国民の貴重な権利が奪われた状態が続くというわけだ。

 だが、野党は萩生田発言にかみついた。

 審査会の野党側筆頭幹事である、立憲民主党の山花郁夫氏は「審査会に出向こうとしたら、(萩生田発言で)横から殴られた感じだ。これでは信頼関係を壊す。きょうは出席しない」と記者団に言い放った。

 当初、18日は審査会の開催に向けて、審査会の森英介会長や、与党側筆頭理事の新藤義孝氏(ともに自民党)と会談し、打開策を練るはずだった。審査会の開催の見通しは立たなくなった。

 3月28日から今月20日までの「24連休」が確定した。今後、事態を打開できずにGWに突入すれば、連休最後の5月6日(こどもの日の振り替え休日)までで、何と「40連休」となる。

 政治評論家の伊藤達美氏は「明らかなサボタージュだ。野党は、憲法審査会で徹底的に議論すると、党内が分裂する、致命傷になると恐れているのではないか。触れずにいたいと欠席しているが、国会議員として高い歳費を受け取って、国民の理解を得られるのか。北朝鮮や中国の脅威が顕在化するなか、憲法改正の議論を与野党で深めるべきだ」と語っている。

http://news.livedoor.com/article/detail/16355436/