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宮城
<安田純平さん>戦地取材の重要性強調 東北大で講演
2019年04月25日 木曜日

 シリア取材中に武装勢力に3年4カ月にわたり拘束されたジャーナリスト安田純平さん(45)が23日夜、東北大川内北キャンパスで講演した。映像や資料を基に「現地に入るジャーナリストは絶対に必要だ」と、厳しい戦場を取材する重要性を訴えた。

 学生自治会が主催し、150人超が参加した。安田さんは2015年6月にトルコからシリアへ入ったところで拘束され、18年10月に解放された。
 安田さんは講演で撮影したシリアの映像を公開。混乱する野戦病院や砲撃を受けた子どもの遺体の映像もあった。「戦争は弱い立場の人が亡くなる。フェイクニュースが広がる中、情報が正しいかどうか検証する第三者の現地取材は必要だ」と訴えた。

 自身を巡る「自己責任論」の批判については「自己責任は当然で、『自己責任だから行くな』という政府の態度は矛盾している。言葉自体を批判の道具にしている」と指摘した。

 安田さんは「『平成』は戦争のない時代と言われるが、日本はイラク戦争の後方支援で明らかに戦争に加担した。若者はぜひ、さまざまな現場を見てほしい」と呼び掛けた。