2019年4月28日 6時0分
文春オンライン

 秋篠宮家の次女・佳子さまは、自己主張をするきっぱりした女性だ。美貌とファッション性で話題になることが多いが、その点もぜひ注目していただきたい。

「お相手はいますか」という質問に答えられ
 2019年3月22日、国際基督教大学(ICU)を卒業するにあたっても、佳子さまの芯の強さがうかがえるご発言があった。

「相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」

 記者会見ではなく、あらかじめ出された宮内記者会からの質問への文書回答だった。「お相手はいますか」という質問に佳子さまは、こう答えられたのだ。

佳子さまの個性が際立ったお言葉
 その文書には、姉の眞子さまと小室圭さんとについて「一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」という答えもあった。メディアは主にそちらを話題にしていたが、きっぱりした現代女性としての佳子さまに注目していた身としては、そちらより「お相手」についての回答に感動した。

 念のため書いておくと、「お相手」とはつまり「結婚を意識するような相手」または「交際相手」のことだ。私なりに翻訳するなら、「その手の質問には未来永劫、答えません」と言ったのだ。

 こうした佳子さまの個性が際だったお言葉は、今回だけではない。

 2014年12月、成人にあたっての記者会見で「母は、週刊誌などでは様々な取り上げ方をされているようですが、娘の私から見ると、非常に優しく前向きで明るい人だと感じることが多くございます」と語られた。ちょうどメディアの矛先が、皇太子妃雅子さまから秋篠宮妃紀子さまに移りつつある頃だった。「ご両親はどんな性格か」という質問だったからもっと無難なことを言っても良かったのに、メディアに異を唱えられたのだ。

 24歳の佳子さまは「公開するプライバシー」に線引きをしたのだと思う。

 宮内記者会からは「結婚の時期」「理想の男性像」も尋ねられた。前者への答えは「遅過ぎずできれば良いと考えております」。後者については「以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております」。素っ気なさに「答えるのは、ここまで」という意志が感じられる。

佳子さまの発言が照らした「公人とプライバシー」の問題
 堀北真希を思い出した。俳優の山本耕史と結婚、現在は引退している。皇室の話と芸能界の話を一緒にするなという指摘は承知の上だが、「公開するプライバシー」への線引きという意味で、軽く衝撃を受けたのだ。2016年、第一子を出産直後、彼女の事務所が発表したのは「母子ともに健康。性別など詳細を発表する予定はありません」だった。生まれた子が男の子か女の子か知らせない。最近ではよくあることだが、走りは彼女だったのではないかと思う。びっくりした。山口百恵ちゃん世代だからだ。

 山口百恵という人は、芸能界を既に引退していたにもかかわらず、第一子出産後、カメラの前に立った。夫の三浦友和と並び、長男を顔が映る角度で抱いていた。1984年、引退から4年も経ってからのことである。なぜそうしたのかは、知る由もない。芸能界にも世間にも、まだ「芸能人=公人」という意識が強かったのだろう。

 皇室と芸能界。まったく異なる世界であるが、敢えてここで触れたのは、皇室における「公開するプライバシー」のあり方が、社会の動きと重なっていることを明示したかったからだ。佳子さまのお言葉は、美智子さまや雅子さまの時代と比べると隔世の感がある。言い換えれば、美智子さまと雅子さまの時代は、「公開するプライバシー」を自ら線引きすることが叶わなかった。

スリーサイズを書かれた美智子さま

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