日刊スポーツ [2019年5月13日8時0分 ]
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201905130000138.html

10連休の終わりとともに、退職代行サービスの需要が急上昇している。
史上最長のゴールデンウイーク(GW)は自身の人生を見つめ直し、退職を決断するのにも最適となったのか、
代行会社にはGW中から申込者が増え続けているという。

職場や学校に、行きたくない−。そんな気持ちを誘発する要因の1つ、「五月病」患者が増えている。
それを予見していたのが、医師でジャーナリストの森田豊氏(55)。

「連休中は夜更かしや家族サービスで疲れて昼頃まで寝る方も多い。
寝だめは体内時計(体の自然なリズム)の乱れや体調異変を引き起こす。
これが慢性化すると、うつ病に似た五月病になったりします。今年は連休が長く患者が増えるのでは、と心配でした」。

症状を訴える人は例年ゴールデンウイーク明けに多く、この病名がついたという。
「医学用語では『適応障害』や『うつ病』と診断されます。
新年度の4月からの新しい生活環境になじめず、ゴールデンウイーク中に疲れが一気に噴き出し、
長い休みの影響から学校や職場への行く気をそがれ、連休明け頃から理由不明確な体や心の不調に陥ってしまう」。

頭痛やめまいのほか、疲れやすい、イライラする、やる気が出ない、などの症状が表れる。
今年の場合、連休が最長の10日間にも及んだため、乱れたリズムを元通りにするのに時間がかかり症状を訴える人が多かった、との見立てだ。
最近は、子ども世代にも腹痛などの症状が見られるという。

対策は、臆せず病院の心療内科を受診すること。
「向精神薬や睡眠剤など症状に合った薬を服用する。症状を訴える人は真面目で責任感の強いタイプが多いですが、
会社や学校を休むことにちゅうちょしない。楽しみを見つけ“ガス抜き”をする。
また、この時期は、何を考えてもネガティブになりがち。何かを選択するのは後回しでいいと思います」と勧めた。