東京 品川区の有料老人ホームに入居していた82歳の男性が死亡し、元職員の男が殺人の疑いで逮捕された事件で、男が2年前に勤務していた系列施設でも虐待を疑わせる通報が寄せられていたことがわかりました。警視庁は、日常的に虐待がなかったか調べています。

先月、東京 品川区の有料老人ホーム「サニーライフ北品川」に入居していた黒澤喜八郎さん(当時82歳)が死亡し、警視庁は、施設の元職員で介護福祉士の根本智紀容疑者(28)が暴行を加えて死亡させたとして、殺人の疑いで逮捕しました。

その後の調べで、根本容疑者が2年前に勤務していた同じ系列の有料老人ホームでも、虐待を疑わせる内部通報が寄せられていたことがわかりました。

「入居者の80代の女性が顔を腫らせている。虐待を放置する施設はおかしい」という内容で、女性の目の付近にはあざがあったということです。

警視庁によりますと、この時の当直勤務は根本容疑者ら職員3人でしたが、女性は認知症で転倒することもあったことや、勤務していた職員が「暴行はしていない」と話したことなどから、事件性はないと判断されたということです。

その後、女性は老衰で死亡しました。

根本容疑者はその後、今回の事件が起きた施設に異動しましたが、警視庁は、これまでの間、日常的に虐待がなかったか調べています。

調べに対し「暴行を加えたことはありません」と容疑を否認しているということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190523/k10011925481000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002