北海道内の企業・団体が外国人技能実習制度で昨年受け入れた実習生の人数が、道が2006年に調査を開始して以来、過去最高の1万32人(前年比1530人増)に上ったことが分かった。増加は7年連続。農業や水産業を中心に深刻な人手不足が背景にあるとみられる。

 調査は今年1〜2月に外国人技能実習生を受け入れて企業にあっせんしている管理団体の農協、商工会議所、商工会など、さらに単独で受け入れている企業の計269団体を対象に実施した。回答数は244団体。128団体が外国人実習生の受け入れ実績があると回答した。

 業種別では、食料品製造業が5357人(前年比509人増)で最も多く、農業2765人(同324人増)、建設関連工事業999人(同288人増)、漁業238人(同78人増)と続く。食料品製造業と農業で全体の8割を占め、食料品製造業のうち、水産加工品製造業が75%となっている。

 国別ではベトナムが5232人(前年比1349人増)で過半数に上った。地域別の受け入れ数では、石狩地方が1734人と最も多く、オホーツク地方が1416人、渡島地方が1274人となっている。

 今後の外国人技能実習生の受け入れ予定については、64団体が「拡大」と回答した。受け入れる企業の中には、社内イベントなどの交流行事や日本語通信教育などに力を入れているところもある。

 外国人労働者の受け入れを拡大する新制度が4月から始まり、外国人技能実習生は3〜5年の実習を修了すれば、無試験で新たな在留資格「特定技能1号」を取得できる。しかし、今回の調査では、実習終了後の予定として「帰国」が大半を占めている。道経済部は「新制度はまだスタートしたばかりなので影響は分からないが、受け入れ態勢の整備がさらに進み、今後も実習生は増え続けるのでは」と話している。



毎日新聞 2019年5月29日 08時22分
https://mainichi.jp/articles/20190529/k00/00m/040/014000c