拳銃 なぜ基地の外に 米海軍佐世保基地で問題相次ぐ 米軍 原因明らかにせず
6/9(日) 11:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190609-00000003-nagasaki-l42

 佐世保市内で5月、米海軍佐世保基地に配備中の強襲揚陸艦ワスプの男性水兵(21)が基地外に拳銃を持ち出し自殺したとみられる事案が起きた。約1週間後には、基地の指示で日本人警備員が拳銃を携行したまま基地外の市道を徒歩で移動していたことが判明。なぜ基地外に拳銃は持ち出されたのか−。米軍には、原因を明らかにした上で具体的な再発防止策を示すことが求められている。

 9日深夜、佐世保市平瀬町の佐世保公園で拳銃を手にしたまま死亡している水兵が発見された。基地によると、水兵は銃の修理や運用をする担当で、武器庫に出入りできた。拳銃は基地から持ち出したとみられる。
 16日には基地に勤務する日本人警備員が基地の指示で拳銃を携行したまま、市道を歩く事案が発覚。全駐留軍労働組合(全駐労)長崎地区本部によると、指示を受けた警備員は「日米地位協定違反だけでなく、銃刀法違反に当たる可能性もある」として猛反対したが、基地は従うよう強制した。事態を知った防衛省も事前に基地に対して中止要請を出したが、無視された。在日米海軍司令部は「(日本人が基地外で銃を携行できないことが)現場でうまく伝わっていなかった」と説明した。
 日米地位協定第3条は、基地内での警護のために必要な措置として、米兵だけでなく日本人警備員にも武器の携行を認めている。日本人警備員の銃携行について、外務省は「地位協定で区域外の規定がないため、個別の事案で判断せねばならず、協定違反とは説明できない」という。
 沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)は「協定は、米軍が使いやすいように運用しており、受け皿の日本側が柔軟すぎる。米軍側は『凶器』を扱っていることを再認識すべきだ」と指摘した。
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 佐世保市も国も、米軍に再発防止を要請。しかし、米軍は二つの事案の原因を「コメントできない」として明らかにしていない。さらに「米海軍内の武器管理規則や手順を厳しく実施する」としているが、具体的な再発防止策はまだ示していない。
 リムピースの篠崎正人編集委員は「米軍側に武器管理のマニュアルを示すよう、市は強く求めないといけない」と提案。基地従業員の問題に関しては「全駐労も加えて、米国と国の三者で再発防止を話し合うべきだ」と強調した。