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澤田容疑者、告示前から買収知っていた?
2019年6月11日更新

 青森県議選三戸郡選挙区で初当選し、現金買収などの疑いで逮捕された自民党所属の県議澤田恵(さとし)容疑者(61)陣営を巡る選挙違反事件で、買収資金を一時的に受け取りその後返した三戸町議が、澤田容疑者に直接金を返したといった証言があることが11日、複数の関係者への取材で分かった。捜査当局もこの情報を把握し、関心を寄せている。県警は、澤田容疑者が告示前から買収行為を認識していたほか、資金の出元の一つとなった可能性があるとみて裏付けを進めている。

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 関係者の話を総合すると、告示前の3月ごろ、陣営幹部らの指示を受けた町議の一人が三戸町内で、買収目的で別の町議に現金数万円を手渡した。一時的に現金を受け取った町議は後日、澤田容疑者に返金したもよう。金の受け渡しに関与したとされる2町議は、東奥日報紙取材に「答えられない」などと、こうしたやりとりに関する説明を拒んだ。

 澤田容疑者は、逮捕前の取材に「当選後に会計責任者から『労務費を支払った』と聞かされた」と、買収への関与を否定している。もし、同容疑者への返金が事実であれば、告示前から同容疑者が買収を認識していた可能性が高い。県警はこれまでに逮捕した陣営幹部や町議、任意で捜査している複数町議の取り調べなどから、返金の情報を把握しており、澤田容疑者に対する取り調べの中で、事実関係を確認しているもようだ。

 事件を巡っては、澤田容疑者らと共謀して買収行為をしたなどとして、陣営幹部の男(69)、農業の男(74)らが逮捕されている。青森地検は両容疑者の勾留期限となる12日、2人を公選法違反(現金買収、事前運動)の罪で青森地裁に起訴する見通し。