https://www.yomiuri.co.jp/world/20190623-OYT1T50045/
 中国各地で、欧米風の名称を持つ住宅地区やホテルなどが「外国崇拝」にあたるとして名称変更を要求する地方政府の動きが広がっている。
「文化強国」を掲げる習近平シージンピン政権が自国文化に自信を持つように呼び掛けていることを意識したものとみられるが、
中国では欧米風の名称を持つ高級志向のマンションなどは多く、物議を醸している。

 中国メディアによると、中国政府が昨年12月、「規範に合わない地名を整理せよ」と指示したことを受け、陝西省や四川省、福建省などの地方政府が
名称変更に向けて動き出した。
海南省は今月中旬、オーストリアを連想させる「ウィーン・ホテル」が改名対象になると発表したが、ホテル側は「合法的に使用しているブランド名だ」と
反発する声明を発表した。海南省では、米国を連想させる「ハワイ・ビーチ」の使用も住宅地などの名称として制限された。
また、浙江省温州市も今月中旬、米ニューヨークやパリを連想させる「マンハッタン」や「シャンゼリゼ」の使用を不適切な事例として発表した。

 ネット上では、共産党政権と太いパイプを持つネット通販中国最大手「アリババ集団」の企業名や、体制イデオロギーである
マルクス・レーニン主義も「外国由来であり、変更させるべきだ」などと皮肉る声も出ており、当局はこうした投稿の削除に追われている模様だ。
中国政府は21日、この問題の過熱に歯止めをかけるために、変更要求に当たっては「意見を幅広く募るべきだ」などとする通達を出した。