色街の歴史は室町時代、将軍・足利義満が許可した京都「傾城町(けいせいまち)」に始まるといわれる。
江戸時代は幕府公認の「江戸吉原」「京都島原」「大坂新町」が三大遊郭として隆盛を極めた。400年たった今なお色街としての繁栄を続けているのが、吉原である。

吉原の歴史とともに今の姿を知りたいという人には、「吉原遊郭ツアー」がある。案内するのは、吉原に店を構える「カストリ書房」の店主・渡辺豪氏だ。
料金は3600円。不定期開催だが昨年6月にスタートして以来、1200人以上が参加したという。本誌記者も申し込んでみた。

6月某日午前10時。東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」から10分ほど歩くと、集合場所の「吉原大門」の標識が見えてきた。集まったのは10人ほどで、ほとんどが20〜30代とおぼしき女性だ。

「参加者の9割以上が女性です。女性のほうが性産業への偏見が少なく、吉原を見たいという純粋な興味があるようです」(以下「」内全て渡辺氏)

吉原大門といっても門が残っているわけではないが、交差点に1本ひっそりと立つ「見返り柳」は往時のままだという。

「吉原で遊んだ帰り、後ろ髪を引かれる思いで遊郭を振り返ったことから、その名がついたそうです」

その先に続く道は緩やかにカーブを描いているが、これも遊郭の入り口から中が見えないようにという、遊びに来る男性への配慮からだという。

しばらく歩いて「吉原公園」を通り抜けると、いよいよ風俗店が立ち並ぶゾーン。派手な看板が立つ洋風の建物が多いなか、お屋敷のような格調高い和風の建物もある。
吉原遊郭に祀られていた神様を明治になって合祀したという吉原神社、台東病院を抜け、吉原弁財天があるのが遊郭の反対側の出口だった。こうして歩くこと1時間。吉原案内ツアーは終了した。渡辺氏はこう語る。

「かつての趣を残す建物などはこの先長くは残らないかもしれない。残せないなら、ひとりでも多くの人に吉原を見てもらって記憶に残してほしい」

※週刊ポスト2019年7月12日号


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2019年7月1日 16時0分 NEWSポストセブン

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