https://this.kiji.is/518330148109485153

店で流れるBGM、使用料は
訴えられた側のなぜ? JASRACの言い分
2019/7/9 14:38 (JST)7/9 14:53 (JST)updated
©株式会社全国新聞ネット

 居酒屋やバーで流れるBGM。普段は気にも留めない存在だが、お店の雰囲気作りには欠かせないのも確か。その使用、実は料金の支払いが必要とされることをご存じだろうか。店側が支払いに応じずに裁判へ発展するケースもある。日本音楽著作権協会(JASRAC)は5月、著作権を管理する楽曲のBGM無断使用で、飲食店などに使用差し止めと損害賠償を求めて各地で一斉提訴。被告となった大阪市の店主は「見せしめの訴訟ではないか」と不満を見せつつ、「店を続けるためには仕方ない」と争わずに和解した。

(共同通信=大阪社会部・武田惇志、鈴木優生)

 ▽突然被告≠ノ

 大阪・ミナミの繁華街にあるショットバーの男性店主(46)。40歳目前で脱サラして2013年に開業した。ロックギタリストで関西を中心にバンド活動も展開している。店はブルース、ヒップホップなどブラックミュージックのCDを中心に流して、照明の暗さと相まってシックな雰囲気を醸し出している。

 店主によると、店のオープンから約1週間後、スーツ姿のJASRACの職員が訪れた。忙しくてほとんど話せず、著作権のパンフレットを受け取って終わった。それから2、3カ月後、再び職員が来て著作権使用料の支払いについて説明を受けたという。

 繁華街の先輩に聞いて回ったが誰ひとり使用料を払っている経営者はおらず、職員に声をかけられた者もいなかった。「なぜ自分の店だけが」と不審に感じた。あらためて訪れた職員の態度を横柄に感じて、かっとなった。その後、郵送されてきた督促状を無視。民事調停にも応じなかった。

 それから6年後の今年5月、自身が訴訟の被告となったことを報道で知って驚いた。訴状によると、楽曲の使用差し止めと13年8月〜今年4月分として計約6万2千円を請求するものだった。

 自身も演奏し、プロのミュージシャンの知り合いが多い店主は「著作権使用料の支払いには賛成しており、素直に応じてこなかった自分が悪かった」と話す。
(リンク先に続きあり)