https://www.afpbb.com/articles/-/3234902

オランダで毒を持った毛虫が大発生し、重症の皮膚炎やぜんそく発作に見舞われた数百人が病院を受診している。
この毛虫の大発生により、少なくとも2校が休校、スポーツ大会が中止されるといった事態になっており、
オランダ農業・自然・食品品質省は10日、対策会議を開いた。

インターネット上では、東部の町エンスヘーデ(Enschede)に住む高齢女性が、毛虫の巣を熱風を出すヒートガンで
襲う様子を撮影した動画が広まっている。

AFPの取材に応じた独立系研究機関、オランダ害虫・野生動物専門センター(Dutch Pest and Wildlife Expertise Centre)
のバスティアーン・メーアブルク(Bastiaan Meerburg)所長は、これだけの大量発生を目にするのは初めてだと述べた。
一部の地域では、例年の3倍以上に増えているという。

問題の中でも目立っているのは、毛虫が持つ毒性の毛と接触したために皮膚炎や発疹、息切れや吐き気といった症状が
現れる例だ。こうした症状がかなり重症なため、カローラ・スハウテン(Carola Schouten)副首相兼農業・自然・食品品質相は、
この毛虫に関する質問を受け付ける政府の特設ウェブサイトの開設を命じた。

オランダでこの毛虫は日常的に見られるが、特に気候変動の影響でここ20年の間に、生息地が南部リンブルフ(Limburg)州から
北方へと広がっている。メーアブルク氏によると、もはや毛虫がはびこっていないのは、北部沖にあるワッデン諸島
(Wadden Islands)だけだという。


オランダ・ズーテルメールで、オークの木の幹に大量発生した毛虫(2011年5月9日撮影、資料写真)。
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