NPO法人里山ねっと・あやべは、カブトムシの雄雌ペアを買うと1年後にもう1匹もらえる「カブトムシ銀行」を、京都府綾部市鍛治屋町の里山交流研修センターで13日から始める。収益を裏山の里山保全に使うユニークな事業で、「子どもたちが自然に関心を持ってもらえば」と期待している。

 カブトムシ銀行は、子どもが「カブトムシのペアを里山交流研修センターで300円で買う」→「自宅で飼育し、卵を産ませる」→「卵をセンターの裏山に埋める」→「1年後に成虫に育ったカブトムシ1匹を利子として受け取る」という仕組み。卵を産まなかった場合も1匹渡す。

 里山ねっと・あやべはセンターの裏山の里山整備に取り組んでおり、カブトムシ銀行の収益金を放置竹林伐採などの費用に充てる。裏山で昨年、伐採した竹の粉砕チップを地面にまいたところ、カブトムシが多数育ったことから、「カブトムシ銀行」を企画した。

 里山ねっと・あやべ職員の森慎一さん(54)は「卵が里山の土の中で育って成虫としてかえってくる。自然のサイクルを感じてもらえれば」と話している。

 カブトムシは13日から里山交流研修センターで先着150人に販売する。午前9時〜午後4時、火曜定休。容器持参。問い合わせは同センター

「カブトムシ銀行」に向け、カブトムシを世話する森さん(京都府綾部市・里山交流研修センター)
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