https://www.j-cast.com/2019/07/20363091.html?p=all

安倍氏へのヤジは「演説妨害」だったのか 札幌「排除」問題、警察OBと弁護士の見解割れる

2019/7/20 17:30

参院選にかかる札幌市での応援演説に立った安倍晋三首相(自民党総裁)に野次を飛ばした聴衆を警察が「排除」した問題が波紋を広げている。少なくとも2人がその場から移動させられたが、専門家の目にはどう映るのか。論点の1つは、今回の野次が、公職選挙法が禁じる「演説妨害」にあたるかどうかにありそうだ

元千葉県警警部の田野重徳氏は、「演説妨害」に該当し得るとし、「私が警察官として当事者であっても、同様の措置を講じます」と警察の行為を支持した。一方、弁護士法人・響の藤田圭介弁護士は聴衆が演説を妨害したとは言えないと思われるとして、警察の行為を「不当な弾圧ととられかねない」と指摘する。元北海道警察警視長の原田宏二氏も「野次すら言ってはいけないのであれば、民主主義は成立しない」と強く問題視した。

「この状況で何もしない警察官の方がバッシングを受けると思う」

安倍氏は2019年7月15日、JR札幌駅前で選挙カーの上に立って演説。駅前には広場があり、総裁が応援に駆け付けたということで100人単位の聴衆が集まった。インターネット上には野次の現場を撮影した動画が複数投稿されている。

ある男性は、安倍氏が立つ選挙カーから7〜8メートルほど離れた歩道で「安倍辞めろ。帰れ。帰れ。安倍帰れ」と大声を飛ばした。10秒ほど続いたところで、制服警官や私服警官とみられる5〜6人が男性を取り囲み、肩をつかみながら、選挙カーから遠ざけるように移動させた。その間も男性は「安倍辞めろ」と連呼していた。

別のある女性はこの歩道の後ろにある広場で、「増税反対」と何度も叫んだ。同様に警官5〜6人に取り囲まれ、後ろへ移動させられた。いずれも拡声器や楽器などの道具は使っていなかった。集団でもなく、それぞれ1人での野次だった。

元千葉県警察刑事課長警部で犯罪評論家の田野重徳氏はJ-CASTニュースの取材に、今回のケースについて、「私が警察官として当事者であっても、同様の措置を講じます。この状況で何もしない警察官の方がバッシングを受けると思います。本件は、動画を見る限り『促されての退去』と認められます」と道警の行為を支持する。
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