アニメ制作会社「京都アニメーション」の放火事件で、殺人容疑などで逮捕状が出た青葉真司容疑者(41)。

 「印象にない」「目立たなかった」。関係者はこう口をそろえる。「小説を盗まれた」と恨みを口にしたという同社との接点は見えず、34人が犠牲となった事件の動機は明らかになっていない。

 青葉容疑者は、引っ越しを繰り返しながらさいたま市内の公立小中学校を卒業した。中学時代は授業を休みがちで目立たない存在だったといい、卒業アルバムのクラスの集合写真にも姿はない。当時の近隣住民は「父、兄、妹と4人暮らしだった。父がタクシー運転手として働きながら、3人の子どもを育てていた」と振り返る。

 県立高校の定時制に通いつつ、1995年から3年間、埼玉県庁文書課に非常勤嘱託で勤務。同僚だった40代の男性職員は「各部署に書類を配る仕事をしていた。年齢の近い嘱託職員と仲良くしていた」と語る。

 青葉容疑者は、2008年末ごろに茨城県常総市の集合住宅に入居して以降、近隣住民らとたびたびトラブルを起こすようになる。

 管理人によると、集合住宅で暮らした数年間は、家賃滞納や近隣からの騒音苦情が絶えなかった。同容疑者宅の様子について「壁が壊れ、窓ガラスも割れていた。冷蔵庫から何かが溶け出て水たまりのようになっていた」と話す。

 同容疑者が12年に起こしたコンビニ強盗の事件記録には、「仕事で理不尽な扱いを受け、社会で暮らしていくことに嫌気が差した」と動機を語ったと記されている。

 関係者によると、16年7月以降は、民間企業の福祉サービスを利用し、さいたま市内のアパートで1人暮らしをしていた。1Kで家賃は3万9000円。仕事はしていなかったとみられる。深夜や早朝に大音量で音楽をかけるなどし、近隣との騒音トラブルが続いた。

 「殺すぞ」。青葉容疑者は事件4日前にも、近隣住民の男性ともめ事を起こした。「もう失うものはない」。胸ぐらをつかみ、血走った目でまくし立てた同容疑者について、男性は「殺されかねないと思った」と振り返った。 

7/25(木) 7:17
時事通信
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