アメリカで、鎮痛剤を過剰に摂取し、死亡する人が相次いでいる問題について、アメリカ国務省の高官は、鎮痛剤の密造元とされる中国が取締りを怠っていると批判し、改善を迫っていく考えを示しました。

アメリカでは医療用の鎮痛剤として使われる「フェンタニル」と呼ばれる薬物などの過剰摂取によって年間7万人が死亡するなど薬物のまん延が社会問題となっています。

アメリカ国務省で麻薬対策の責任者を務めるジョーガン・アンドリュース次官補代理が2日、電話で記者会見し、フェンタニルの密造元とされる中国の対応について「取締りを行っていることを示す情報がほとんどない」と批判しました。

そのうえで、「われわれの役割はアメリカ人の生命を守ることだ」と述べ、中国に対し、早急な対策を迫っていく考えを示しました。

また、トランプ大統領も1日、ツイッターで、中国に対して追加関税を発動する考えを表明した際、フェンタニルに言及し、「たくさんのアメリカ人が犠牲になり続けている」と改めて不満を示し、貿易問題とともに中国に対応を迫る姿勢を示しました。

NHK NEWS WEB
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