「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止をめぐって、愛知県の大村秀章知事が5日午前、記者会見を開き、名古屋市の河村市長からの展示中止求める発言や文書、愛知維新の会からの文書について厳しく批判した。

 大村知事は展示中止の判断に至る経緯について「電話の回線も増やして職員も増やし、本庁にも部屋を増やしてやってきたが、大変残念なことに脅迫、恫喝、そしてまた電話対応した職員の名前を聞き出してネットに掲載し誹謗中傷するなど、心無い動きがたくさんあった。なんといっても"ガソリン携行缶を持ってお邪魔しますね"というテロ予告のようなものもあった。芸術祭を安心・安全に、残る日程を多くの方に楽しんでいただくという観点から、津田大介監督とも相談し、3日までということにさせていただいた」と説明。「テロに屈したのではないか」との記者からの質問には、「手荷物検査まで含めて全部やれということか。それはそういうこと言う方もおられるかもしれないが、実務として本当にできるのか。自ずと限界がある」と反論した。

 さらに「今朝も5時前に一通のメールが県に届いた。愛知県芸術文化センターへ宛て、"私の部下青葉真司が実行した京都アニメーションへの放火はお楽しみいただけましたでしょうか"として、日時も特定し、ガソリンを散布すると書いてある。何を言っているのか支離滅裂ではあるが、卑劣で言語道断だ。見るに耐えない。直ちに警察に連絡した。本当かどうかはわからないが、住所も名前も書いてあったので、きっちりと対応をしていただきたい」と明かした。

 その上で、展示中止を求めてきた河村市長の一連の発言について「憲法違反の疑いが極めて濃厚ではないか。憲法21条には、"集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。"、"検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。"と書いてある。最近の論調として、税金でやるならこういうことをやっちゃいけないんだ、自ずと範囲が限られるんだと、報道等でもそうことを言っておられるコメンテーターの方がいるが、ちょっと待てよと、違和感を覚える。全く真逆ではないか。公権力を持ったところであるからこそ、表現の自由は保障されなければならないと思う。というか、そうじゃないですか?税金でやるからこそ、憲法21条はきっちり守られなければならない。河村さんは胸を張ってカメラの前で発言しているが、いち私人が言うのとは違う。まさに公権力を行使される方が、"この内容は良い、悪い"と言うのは、憲法21条のいう検閲と取られてもしかたがない。そのことは自覚されたほうが良かったのではないか。裁判されたら直ちに負けると思う」と厳しく批判。

 また、愛知維新の会からの文書にも触れ「維新の会は表現の自由を認めない方々なのか。憲法21条を全く理解していないと思わざるをえない。戦後民主主義の原点ではないか」と訴えた。

2019.08.05 10:48
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