「きのこ雲の下にいたのは兵士ではなく市民でした。罪のない人たちの命を奪うことを誇りに感じるべきでしょうか」−。福岡県大牟田市の高校3年生、古賀野々華さん(18)が、米国の高校に留学していた5月、校内向けの動画で、原爆のきのこ雲を模した高校のロゴマークに異を唱えた。動画はインターネット上で拡散し、広く話題に。1年間の留学を終え、6月に帰国した古賀さんは「批判を恐れずに、自分の意見を伝えることの大切さを学びました」と振り返った。

留学先は米ワシントン州リッチランドにあるリッチランド高。町では戦前、長崎に投下された原爆のプルトニウムが生産された。原子力の生産や技術の研究が町の発展に寄与し、核関連産業が町の経済を支えてきた。

同校のロゴマークは「R」の文字にきのこ雲を模したもので、パーカやジャージーなどあらゆる学用品にあしらわれている。

「原爆を、こんなふうに扱っていいの?」。留学後に町の歴史を知り、日々を過ごすうちに膨らんだ違和感が問題意識に変わったのは半年が過ぎた頃。米国史の授業で、多くのクラスメートが「原爆のおかげで戦争が終わった」との考えを示していたからだ。

そんな古賀さんの様子に気付いた教師から、校内放送に出演し、メッセージを伝えることを勧められた。読み上げる英文作りには、ホームステイ先のホストマザーも協力してくれた。

帰国を間近に控えた5月30日、校内放送に出演した。原爆投下で大勢の市民が犠牲になったこと。日本では原爆の恐怖を学び、犠牲者を悼む「平和の日」があることなどを紹介。「きのこ雲は、爆弾で破壊したもので作られています。きのこ雲に誇りを感じることはできません」と締めくくった。

歴史あるロゴマークに愛着を持つ人も多い中、同級生から「あなたを誇りに思う」「あの動画がなければ日本側の意見を知ることは一生なかった」と勇気ある行動を称賛された。地元紙でも取り上げられ、古賀さんのメッセージをきっかけにさまざまな場所で議論が生まれた。

「ここまで反響があるとは思いませんでした。私はロゴマークを変えさせたかったわけではありません。ただ、(原爆を)投下された側の気持ちを知ってほしかった」。いま、古賀さんはそう振り返る。将来は、米国で学んだことを生かした仕事に就きたいという。

https://this.kiji.is/531218115145090145?c=110564226228225532
校舎に掲げられたきのこ雲のロゴマークの前で写真に納まる古賀野々華さん(右)=米西部ワシントン州リッチランド(提供写真)
https://nordot-res.cloudinary.com/t_size_l/ch/images/531218102728377441/origin_1.jpg

★1がたった時間:2019/08/07(水) 08:20:20.84
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