毎日新聞 2019年8月8日 00時42分(最終更新 8月8日 01時24分)
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、元従軍慰安婦を題材とした「平和の少女像」を展示した企画展「表現の不自由展・その後」に脅迫文が届くなどして中止された事件で、愛知県警は7日、同県稲沢市稲沢町前田、トラック運転手、堀田修司容疑者(59)を威力業務妨害容疑で逮捕した。「間違いない」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は2日午前6時半ごろ、県内のコンビニエンスストアから、企画展会場の愛知芸術文化センター(名古屋市東区)に、少女像について「要らねえだろ史実でもねえ人形展示。大至急撤去しろや。さもなくばガソリン携行缶持って館へおじゃますんで」などと書いたファクスを送信し、業務を妨害したとしている。

 県警によると、ファクスは手書きで、発信元の番号などは記載されていなかったが、捜査の過程で県内のコンビニが発信元であることを特定。店内の防犯カメラの解析などから堀田容疑者が浮上したという。

 県警は、事件に関わった疑いがあるのは堀田容疑者1人とみており、動機を追及するとともに政治的背景などがあるか調べる。

 少女像の展示を巡っては、これまでに県や市には数千件に上る抗議のメールや電話、ファクスなどが届いているという。中にはこうした脅迫めいた内容も多数あることから、県は県警東署に相談し、6日に被害届を提出していた。

 会場では7日午後にもヘルメットをかぶった男3人が現れ、そのうちの1人が「ガソリンだ」などと言って透明の液体を警察官の足にかけ、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕される騒ぎもあった。【斎川瞳、井口慎太郎】
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