愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、旧日本軍の慰安婦を象徴する少女像を展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕されたトラック運転手堀田修司容疑者(59)=同県稲沢市=が使うトラック内から、県警が少女像を撤去するよう脅す文書を押収したことが捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、堀田容疑者は「少女像の展示が許せなかった。ガソリンをまくつもりはなかった」と供述し「ガソリンや携行缶は用意していなかった」と説明しているという。県警は展示に強い不満を持ち、この文書を会場の愛知芸術文化センター(名古屋市東区)にファクスで送ったとみて調べる。

 県警は8日、堀田容疑者が勤める同県一宮市の運送会社営業所を捜索。会社関係者は「10年以上勤めているが、無遅刻無欠勤で同僚や取引先とのトラブルもない。勤務態度も真面目だった」という。堀田容疑者宅近くに住む男性は「ここ数年、朝鮮半島や社会についての不満を大声で言っているのが自宅から聞こえてきた」と話した。

 堀田容疑者は2日、同センターに、人形を撤去しないとガソリン携行缶を持って会場へ行くとの手書き文書をファクスで送り、展示を中止させたとして逮捕された。
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