https://wired.jp/2019/08/13/robobee-x-wing/

2019.08.13 TUE 09:30
重さ0.26g! はばたく極小ロボット、太陽電池だけでケーブルレス飛行に成功(動画あり)

ハーヴァード大学の研究チームが開発を続けてきた昆虫型の超小型ロボットが進化し、電源ケーブルなしではばたいて飛べるようになった。その秘密は本体に搭載した太陽電池と、羽の枚数を2枚から4枚に増やして飛行効率を高めたこと。飛行時間の短さなどの課題こそあるものの、さまざまな分野への技術の応用が期待されている。

TEXT BY MATT SIMON
TRANSLATION BY MADOKA SUGIYAMA

その小さなロボットは、かつて「RoboBee」という名で知られていた。ペーパークリップの半分の大きさで、2枚の羽を毎秒120回の速さではばたかせることができたのだ。ところが“弱点”があった。電源ケーブルでつながれていたので、動きに制約があったのである。

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そのRoboBeeがハーヴァード大学の研究者たちの手によって、「RoboBee X-Wing」に進化して帰ってきた。太陽電池ともう2枚の羽を授かり、はるか彼方の銀河系へと自由に飛び立てるようになった──。とはいえ、現時点で飛ぶことができる距離は、せいぜい部屋の真ん中ほどまでだろう。飛行できるのはたった0.5秒であるうえ、室内に限られているからだ。

それでも、わずかながら進歩は見られる。最も小さいドローンのサイズは、直径2〜3インチ(約5.1〜7.6cm)で重さ3分の1オンス(約9g)。これに対してRoboBee X-Wingは、大きさこそほぼ同じだが、重さは100分の1オンス(約0.26g)とかなり軽い。

こうしてRoboBee X-Wingは、電源ケーブルなしで飛行できるマシンとしては世界最軽量という栄誉を手に入れた。ごく身近な“銀河系”でいつの日か、狭くて飛行に注意を要する空間を進むうえで理想的な存在となりうるだろう。

4枚の羽にある「秘密」

言うまでもなくRoboBee X-Wingは、バッテリーを搭載するにはあまりにきゃしゃだ。バッテリーは本体の何倍もの重さがある。

そこでエンジニアたちは、いまのところRoboBee X-Wingで太陽光エネルギーを利用している。具体的には、4枚の羽の上のほうまで伸びるロッドに小さな太陽光パネルをとり付け、気流を妨げないようにした。電子回路は太陽光パネルとは反対側に当たるロボットの下端に付けられていて、4枚の羽で重心をとりやすいようにしている。

こうしてRoboBee X-Wingは、一見するとトンボのような姿になった。しかし、羽が2枚から4枚に増えたからといって、ハエがトンボになるといった具合にはいかない。
(リンク先に続きあり)

https://wired.jp/wp-content/uploads/2019/08/Science_Robobee_06.07.19-42-1-TA.jpg
動画
https://youtu.be/K9Jh9IIByHg