【ロンドン時事】英国の大学が構内で牛肉を使った食べ物の提供を禁止すると発表し、波紋を呼んでいる。

 牛肉は生産過程で温室効果ガスを多く排出するというのがその理由。学生は今後カフェテリアでハンバーガーなどを食べられなくなるが、英畜産業界はこれに猛反発している。

 この大学はロンドン大学ゴールドスミス校。フランセス・コーナー新学長が環境保護の取り組みの一環として表明した。9月から始まる新年度から全ての牛肉を排除するほか、ペットボトル入りの水やプラスチック製カップに10ペンス(約13円)の追加料金を課すという。

 牛肉は牛の餌となる飼料の栽培などで温室効果ガスを大量に排出するほか、牛のげっぷに含まれるメタンも環境負荷が大きいとされる。コーナー氏は「私たちは歴史的な瞬間に直面しており、他の機関とともに二酸化炭素を減らす緊急の行動を取る」と強調した。

 ただ、全英農業者組合(NFU)のスチュワート・ロバーツ副会長は「英国産牛肉に対する明白な理解の欠如だ」と批判。同国の畜産業界では環境に配慮して生産効率を高めているとして、「地球を守りたかったら英国産牛肉を買うべきだ」と訴えた。

 ゴールドスミス校は美術やデザイン、メディア研究などで知られる名門校の一つ。
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