愛知県安城市で2013年、重度の知的障害があった鶴田早亨(はやと)さん(当時28歳)が障害者支援施設を抜け出して死亡した事故を巡り、遺族が施設を運営する社会福祉法人に約7200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は19日、名古屋高裁(始関正光裁判長)で和解が成立した。

 原告側の弁護団によると、施設側は遺族に謝罪した上で解決金を支払い、再発防止策を実施する。解決金の金額など具体的な内容は非公表としている。

 遺族側は、施設側の過失認定に加え、将来働いて得られたはずの「逸失利益」について健常者と同等の算定を求めていた。今年2月の名古屋地裁判決は施設側に過失はなかったとして請求を棄却し、逸失利益については判断を示さなかった。

 原告で鶴田さんの兄の明日香さん(39)は和解について「(解決金は)まだまだ健常者に届く金額ではないが、一歩進めたことに意義はある」と話した。【井口慎太郎】

毎日新聞 8/19(月) 19:40配信
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