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「実は、府警は遺族にアンケートを行っていた」

 全国紙の社会部デスクはそう明かすのだ。

「質問の内容は、実名公表の可否、マスコミの取材を受けられるか否か、そして、取材を受けるとしたら誰が受けるか、といったもの。で、実名の公表を遺族が了承したのが今回の10人で、残る25人の大半は匿名希望だった。つまり、実名を公表するかどうかの判断を遺族側に委ねてしまったわけですが、こんなことは前代未聞ですよ」

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評論家の呉智英氏はこう指摘する。

「実名が出なければ亡くなった方を悼むことすら出来なくなってしまう。それに、今回の事件の被害者の方々は人気のアニメプロダクションで働いている人たちですので、実名を公表されることで社会的不利益を被る可能性は低い。警察が一部しか名前を出さなかった理由が全く理解できません」

 少年犯罪被害当事者の会の武るり子代表は、

「今はインターネットがあって、実名が公表されると色々と良くないことがあるのかもしれません。が、“報道されない被害”があることも知って欲しい」

 と、訴える。

「私の場合、少年犯罪で息子を失ったのでマスコミにほとんど扱われなかった。それで私と主人は顔も実名も出して声をあげたのですが、しばらく経ってようやく記事になった。その記事を見て、息子の存在が認められたような、息子が生きてきた証を得られたような気持ちになれたのです」

 早稲田大学大学院法務研究科非常勤講師の田島泰彦氏の話。

「報道機関が事件を報じることは、記録でもあります。その記録に被害者の名前が出ていなければ、それを見た人間が事件を追認識する手がかりが少なくなってしまう。また、警察だけが情報を掌握し、被害者の名前を公表するか否かを決めるというのは極めて危険なことだと思います」

 しかも今回、こうした前例が作られたことで、

「他の事件・事故でも今後、同じような対応が取られていくでしょう」(同)

 事件や事故が起こる度、被害者はA、B、Cといった「記号」を割り振られる。そんな社会が健全であるはずがない。

「週刊新潮」2019年8月15・22日号 掲載
新潮社

全文はソースで
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190820-00578314-shincho-soci

★1 :2019/08/20(火) 12:32:03.44

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