送検される宮崎容疑者(C)共同通信社
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「力を込めて殴った。やり過ぎたと反省している」

 あおり男は調べに対しこう供述し始めた。

 傷害と犯人隠避容疑で茨城県警に逮捕された宮崎文夫(43)と喜本奈津子(51)両容疑者に新たな疑惑が浮上した。

 6月8日深夜、宮崎容疑者が運転するポルシェ・カイエンは新東名高速でトラックと接触事故を起こした。トラック側のドライブレコーダーにはポルシェがあおり、蛇行運転を繰り返し、幅寄せをしながら急ブレーキをかけ、火花を散らして衝突する映像が残されていた。宮崎容疑者は逮捕の1週間ほど前、SNSに「事故発生当日から起算して2カ月経過するも相手方及び相手方保険会社から何らの連絡等一切無し」と投稿。県警は宮崎容疑者と同乗者の喜本容疑者から、事情を聴く方針だ。

 逮捕以降、メディアは2人の生い立ちや私生活を報じ、本人たちのSNSには一般人から誹謗中傷の書き込みが殺到。厳罰を求める声が上がっているが、果たしてどうなるのか。

「一般論として軽傷で前科もなければ示談にならなかったとしても罰金刑の可能性が高い」と前置きした上で、弁護士の浦上俊一氏がこう続ける。

「全く落ち度のない相手に対し危険運転をし、通り魔的で一方的に因縁をつけて何度も顔面を殴打している点は悪質です。あおり運転での暴行罪や『殺すぞ』と言った脅迫、代車の横領、詐欺罪の可能性もあり、追起訴となれば懲役1、2年の求刑になってもおかしくない」

 宮崎容疑者は昨年3月、大阪でタクシーに乗り、約12時間も運転手を連れ回し、京都府警に監禁容疑で逮捕されている。この時は精神鑑定はされなかったものの、検察と京都府の判断で不起訴処分が決定。宮崎容疑者はその後、京都府長岡京市内の精神科病院に約2カ月入院していた。

 そして退院から約半年後の昨年冬、母親が亡くなり、その数カ月後に喜本容疑者と出会い、交際が始まった。宮崎容疑者はその頃から「変装」をしたり、言動がおかしくなり、全国各地でトラブルを起こすようになった。

「仮に統合失調症などの精神障害が疑われても、軽度のものでは心神耗弱の認定事例は少ないのが実情で、減刑にはなりにくい。ただ、執行猶予を得るための情状事由にはなるので、検察側が懲役刑を求刑したとしても、精神疾患などの情状をもって、裁判所が執行猶予の判断をする可能性も十分ある」(浦上俊一氏)

 こんなクレーマーがすぐにシャバに出てくると思ったら、被害者たちは気が気ではないだろう。

2019/8/23 09:26
https://netallica.yahoo.co.jp/news/20190823-77851004-a_aaac