日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)の裁判で、争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きが5日、東京地裁(下津健司裁判長)で開かれた。弁護団によると、地裁は来年3〜4月に初公判を開きたいとの意向を示したという。

ゴーン前会長は、役員報酬の未払い分を隠したとする金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)と会社法違反(特別背任)の罪で起訴されている。

弁護団によると、地裁はこの日、金商法違反事件の初公判を先に開く考えを示したという。地裁は今年3月、初公判を9月にも開きたい意向を示していたが、前会長が4月に特別背任容疑で再逮捕され、見通しが不透明になっていた。

また、前会長の弁護人の弘中惇一郎弁護士によると、日産の西川(さいかわ)広人社長がかさ上げされた報酬を不正に受領した疑いが浮上している問題について、前会長は「自分は金を受け取っていない。西川社長の方が悪質なのに、自分だけ逮捕されたのは極めて不公平、不平等だ」と話したという。

弘中氏も「日産も検察も、西川社長の不正を全部見逃した。明らかな外国人差別で、ゴーン前会長を狙い撃ちにしたことを示している」と批判した。

2019年9月5日17時56分
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