天皇陛下の即位に伴う伝統儀式「大嘗祭」で使う米を収穫する「斎田(さいでん)」は、栃木県高根沢町と京都府南丹市の田んぼに決まりました。

「斎田」に決まったのは、栃木県高根沢町大谷下原の「とちぎの星」という品種が作付けされた田んぼ1227平方メートルと、京都府南丹市八木町氷所新東畑の「キヌヒカリ」という品種が作付けされた田んぼ2695平方メートルです。斎田を耕作する「大田主(おおたぬし)」は、栃木県は石塚毅男さん(55)に、京都府は中川久夫さん(75)になりました。

「大嘗祭」で使う米を収穫する2つの地方については、ことし5月、宮中に伝わる占いで、東の「悠紀(ゆき)」地方に栃木県が、西の「主基(すき)」地方に京都府が、それぞれ選ばれていました。

宮内庁によりますと、「斎田」と「大田主」について18日、栃木県と京都府の農業団体から推薦が寄せられ、天皇陛下に伝えたうえで決定したということです。

「大嘗祭」では、天皇陛下が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神(あまてらすおおみかみ)とすべての神々に供えたうえで、みずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊じょうなどを祈られることになっていて、近くそれぞれの「斎田」で新米を収穫する儀式が行われます。

■太田主の2人 地域を代表する篤農家

宮内庁によりますと東の「悠紀(ゆき)」地方の大田主(おおたぬし)になった栃木県高根沢町の農家、石塚毅男さん(55)は、地元の区長を務め、これまでに県の農業経営に関するコンクールなどで表彰されています。

また西の「主基(すき)」地方の大田主になった京都府南丹市の中川久夫さん(75)は、地元の農業生産組合の役員を務め、地域の人たちで土地を共有するなどして稲作に取り組んでいるということです。

2人が大田主に選ばれたことについて宮内庁は「それぞれ高い稲作技術と人望があり、地域を代表する篤農家だと聞いている」としています。

2019年9月18日 15時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190918/k10012087501000.html
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