https://www.yomiuri.co.jp/national/20190923-OYT1T50073/

茨城の家族4人殺傷、長男と次女には子供部屋で襲撃
2019/09/23 23:29

 23日午前0時40分頃、茨城県境町若林、会社員小林光則さん(48)宅から、パート従業員の妻・美和さん(50)が「助けて」と110番した。駆けつけた境署員らが、首や顔を切りつけられて死亡している小林さんと美和さんを発見。中学1年の長男(13)が足などを切られて重傷、小学6年の次女(11)も軽傷を負っており、救急搬送された。県警は、家族4人が刃物などで襲われた殺傷事件と断定し、境署に捜査本部を設置した。

夫婦が殺害された民家(23日午前、茨城県境町で、読売ヘリから)=吉岡毅撮影
夫婦が殺害された民家(23日午前、茨城県境町で、読売ヘリから)=吉岡毅撮影

 捜査関係者によると、小林さん宅は当時、無施錠の場所が複数あり、凶器の刃物などは室内に残されていなかった。次女は救急搬送時、「(襲われた際に)スプレーのようなものをかけられた」と証言したといい、県警は、何者かが刃物やスプレーを準備したうえで、小林さん宅に侵入したとみて調べている。

 捜査本部の発表では、小林さんは大学生の長女(21)を含む5人暮らし。夫婦は2階の寝室で、長男と次女は2階の子供部屋で襲われた。1階の自室にいた長女にけがはなく、「物音やサイレンで事件に気づいた」と話している。小林さんの家族から外部とのトラブルに関して、県警に相談はなかったという。

 小林さん宅は、千葉県境に位置する境町の町役場から南東に約5・5キロの田園地帯にあり、周囲を木々に囲まれ、付近に住宅は少ない。

 近くに住む60歳代の女性は「あんなにいい人たちが亡くなってしまい、腰の力が抜けた。子供たちも気の毒でならない」と声を震わせた。小林さんの長男は、中学で野球部に入っているといい、同級生の男子生徒(13)は「優しそうな両親がよく練習を見に来ていた」と話した。